10.08.04 [グリーンエネルギー導入企業へのインタビュー]
地球に負荷をかけない企業をめざして
ソニーは、グリーンな電力を使いたい
ソニー株式会社は、2001年に東京電力と共同で「グリーン電力証書システム」を開発し、日本企業の中ではもっとも早い時期からグリーン電力を導入しています。ソニーがグリーン電力導入に積極的な理由とは?そこに秘められたソニーの想いとは?
同社コーポレート総務部の竹村康広さんに聞きました。
テーマは排出削減目標の達成
ソニーのグリーン電力導入は、2001年に千葉県銚子・屏風ヶ浦に建てた1基の風車から始まりました。従来の電力に代わってCO2を発生しないグリーン電力を積極的に導入することで、企業活動で発生するCO2を削減するこの取り組みは日本初の「グリーン電力証書システム」として結実します。
導入の背景を竹村さんはこう説明します。
「ソニーは環境中期目標『Green Management 2010』を策定し、現在その実現に向けて取り組んでいます。世界的な環境保護NGOのWWFとのパートナーシップによって進める『クライメート・セイバーズ・プログラム』にも2006年から参加し、高い数値目標を設定して地球温暖化対策を推進しています。
また、2009年11月には、ソニーグループ全体の事業所から排出される温室効果ガスの絶対量をCO2換算で、2015年までに2000年比30%削減するという目標を発表しました。
これらの目標を達成し、エネルギー消費をよりCO2排出の少ない方向へシフトするために、CO2がゼロのグリーン電力を積極的に導入しているのです」
竹村さんは証書システムの特徴を次のように語ります。
「グリーン電力の発電設備を作り、そこでの発電実績を証書化すれば、事業所が発電所から遠く離れていても、証書を購入することでグリーン電力を使用したことになります。
また、証書の購入が増えればグリーン電力の発電設備も充実します。そうなれば、ソニーだけでなく他の企業もグリーン電力を使いやすくなるでしょう」
事実、ソニーグループのグリーン電力の契約量は一貫して増え続け、
2009年には実に7千万kWhにまで達しています。
グリーン電力導入のメリット
ところで、現在のグリーン電力は通常の電力より割高です。あえて高いコストを支払ってグリーン電力を導入するメリットは、一体どこにあるのでしょうか?
「例えば工場などの製造事業所については、省エネによるCO2削減の可能性はまだまだあると思います。一方オフィスビルについては、消費エネルギー量の少ないグリーンな建物を新築する場合は別として、既存のビルや賃借ビルでは省エネの余地が少ないのではないでしょうか。しかしこのような場合でも、グリーン電力を活用すればCO2の排出を減らせます。
ですので、企業として効率的にCO2を減らすためには、省エネとグリーン電力をうまく使い分けていくことが有効であると考えています」
今後、グリーン電力の消費量が伸びれば、発電コスト圧縮により電力単価が下がるというメリットも期待できるでしょう。長期的な視点で見れば、グリーン電力導入は企業に競争力と、より大きなビジネスチャンスを与えることにもなります。
持続可能な社会のために
竹村さんは「従来の電力では環境負荷が高い。だから、ソニーはグリーン電力を使いたいのです」と力を込めます。
「ソニーは2008年の実績で売り上げ規模が7.7兆円に達しています。これは地球に相応の負荷を与えている、ということに他なりません。こうした認識に立ち、ソニーは2000年に『ソニーグループ環境ビジョン』を策定しました。これは現在だけでなく将来世代にわたり、人々が健全で幸せな生活ができ、夢をもち続けられるような持続可能な社会の実現をめざす、という決意を込めたものです」
企業経営に環境とサステナビリティの視点を積極的に導入するソニー。「弊社にとっては『環境対策をするのが当たり前』なんです」という竹村さんの言葉に、ソニーのポテンシャルの高さがうかがえます。
日本最大のグリーン電力使用企業
「前編でも触れましたが、ソニーは2015年までにグループ全体の事業所から排出される温室効果ガスの排出量を2000年との比較で30%削減することを目指しています。その実現には、使用エネルギーの削減と、再生可能エネルギーの活用が欠かせません。

使用電力量の50%にグリーン電力を導入した
ソニーシティ
そのためにソニーでは、様々なところでCO2がゼロのグリーン電力を積極的に導入しています。2006年10月に竣工したソニーシティ(ソニー本社ビル)は、ダブルスキン構造の採用や高効率熱源システムの導入などにより、2008年度には一般的なビルと比較して約49.5%もCO2排出量を削減していますが、2009年10月からは、それに加えて使用電力量の約50%を森ヶ崎バイオマス発電所で発電したグリーン電力で賄っています。
この森ヶ崎バイオマス発電所のグリーン電力は、東京都下水道局 森ヶ崎水再生センターの汚泥消化槽で発生するメタンガスを燃料に発電されたものです。
また、銀座のソニービルでは外壁やエントランスの照明にLEDを利用することで省エネルギー化を進めると同時に、共用部他で使用する電力の約90%をグリーン電力化しています。このグリーン電力は、すべて風力発電によるものです」
ソニーグループでは、この他にも全国各地の事業所や株主総会などのイベントで使用する電力についてもグリーン電力の導入を進めており、2009年4月時点で日本最大のグリーン電力使用会社となっています。
グリーン電力をもっと身近に
とはいえ、ソニーの製品やサービスを利用する一般消費者にとって、まだまだグリーン電力についてなじみが薄いのも事実。このことについて竹村さんはこう話してくれました。
「例えば、東京・乃木坂のソニー・ミュージックスタジオでは、使用する電気のうち年間30万kWhをグリーン電力にしています。みなさんがよく聴くあの有名なアーティストの楽曲も、ひょっとしたら風力発電の電気を使って録音されているかも知れません。

2003年から100%グリーン電力を使用しているZepp
また、ソニーグループの(株)ホールネットワークが全国6ケ所に展開するライブホール『Zepp』では、2003年から、開催されるすべてのライブコンサートやイベントで使用される電気を100%グリーン電力で賄っています。」
「こうして見てみると、実はもう、グリーン電力はみなさんの身近なところに普及しているとも言えるのです。もちろん、持続可能な社会の実現には、さらに多くの企業がグリーン電力を導入することが望ましいでしょう。また、グリーン電力の認知度も高めていくことも必要です。

メディアージュのイルミネーションツリーに
グリーン電力を使用
2009年のクリスマスにはグリーン電力普及キャンペーン『グリーン・クリスマス・フェスタ』に賛同し、クリスマスイルミネーションに使用する電気にグリーン電力を使用する『グリーン・クリスマス・ライトアップ』に銀座のソニービルとお台場のメディアージュが参加しました。お台場のメディアージュではグリーン電力を使ったイルミネーションツリーを3月14日まで設置していますので、是非楽しんでいただいて、グリーン電力について知っていただけたらと思います」
音楽やライブホールなどでもグリーン電力が導入されているとは驚きですね。ソニーの取組みはグリーン電力を私たちにとって身近な物にしてくれています。グリーン電力を利用したグリーンな商品やサービスを私たち消費者が選ぶことで、グリーン電力はさらに普及するでしょう。ソニーの今後の取組みに目が離せません。
(2010年3月 取材)
ソニー株式会社は、2001年に東京電力と共同で「グリーン電力証書システム」を開発し、日本企業の中ではもっとも早い時期からグリーン電力を導入しています。ソニーがグリーン電力導入に積極的な理由とは?そこに秘められたソニーの想いとは?
同社コーポレート総務部の竹村康広さんに聞きました。
テーマは排出削減目標の達成
ソニーのグリーン電力導入は、2001年に千葉県銚子・屏風ヶ浦に建てた1基の風車から始まりました。従来の電力に代わってCO2を発生しないグリーン電力を積極的に導入することで、企業活動で発生するCO2を削減するこの取り組みは日本初の「グリーン電力証書システム」として結実します。
導入の背景を竹村さんはこう説明します。
「ソニーは環境中期目標『Green Management 2010』を策定し、現在その実現に向けて取り組んでいます。世界的な環境保護NGOのWWFとのパートナーシップによって進める『クライメート・セイバーズ・プログラム』にも2006年から参加し、高い数値目標を設定して地球温暖化対策を推進しています。
また、2009年11月には、ソニーグループ全体の事業所から排出される温室効果ガスの絶対量をCO2換算で、2015年までに2000年比30%削減するという目標を発表しました。
これらの目標を達成し、エネルギー消費をよりCO2排出の少ない方向へシフトするために、CO2がゼロのグリーン電力を積極的に導入しているのです」
竹村さんは証書システムの特徴を次のように語ります。
「グリーン電力の発電設備を作り、そこでの発電実績を証書化すれば、事業所が発電所から遠く離れていても、証書を購入することでグリーン電力を使用したことになります。
また、証書の購入が増えればグリーン電力の発電設備も充実します。そうなれば、ソニーだけでなく他の企業もグリーン電力を使いやすくなるでしょう」
事実、ソニーグループのグリーン電力の契約量は一貫して増え続け、
2009年には実に7千万kWhにまで達しています。
グリーン電力導入のメリット
ところで、現在のグリーン電力は通常の電力より割高です。あえて高いコストを支払ってグリーン電力を導入するメリットは、一体どこにあるのでしょうか?
「例えば工場などの製造事業所については、省エネによるCO2削減の可能性はまだまだあると思います。一方オフィスビルについては、消費エネルギー量の少ないグリーンな建物を新築する場合は別として、既存のビルや賃借ビルでは省エネの余地が少ないのではないでしょうか。しかしこのような場合でも、グリーン電力を活用すればCO2の排出を減らせます。
ですので、企業として効率的にCO2を減らすためには、省エネとグリーン電力をうまく使い分けていくことが有効であると考えています」
今後、グリーン電力の消費量が伸びれば、発電コスト圧縮により電力単価が下がるというメリットも期待できるでしょう。長期的な視点で見れば、グリーン電力導入は企業に競争力と、より大きなビジネスチャンスを与えることにもなります。
持続可能な社会のために
竹村さんは「従来の電力では環境負荷が高い。だから、ソニーはグリーン電力を使いたいのです」と力を込めます。
「ソニーは2008年の実績で売り上げ規模が7.7兆円に達しています。これは地球に相応の負荷を与えている、ということに他なりません。こうした認識に立ち、ソニーは2000年に『ソニーグループ環境ビジョン』を策定しました。これは現在だけでなく将来世代にわたり、人々が健全で幸せな生活ができ、夢をもち続けられるような持続可能な社会の実現をめざす、という決意を込めたものです」
企業経営に環境とサステナビリティの視点を積極的に導入するソニー。「弊社にとっては『環境対策をするのが当たり前』なんです」という竹村さんの言葉に、ソニーのポテンシャルの高さがうかがえます。
日本最大のグリーン電力使用企業
「前編でも触れましたが、ソニーは2015年までにグループ全体の事業所から排出される温室効果ガスの排出量を2000年との比較で30%削減することを目指しています。その実現には、使用エネルギーの削減と、再生可能エネルギーの活用が欠かせません。

使用電力量の50%にグリーン電力を導入した
ソニーシティ
この森ヶ崎バイオマス発電所のグリーン電力は、東京都下水道局 森ヶ崎水再生センターの汚泥消化槽で発生するメタンガスを燃料に発電されたものです。
また、銀座のソニービルでは外壁やエントランスの照明にLEDを利用することで省エネルギー化を進めると同時に、共用部他で使用する電力の約90%をグリーン電力化しています。このグリーン電力は、すべて風力発電によるものです」
ソニーグループでは、この他にも全国各地の事業所や株主総会などのイベントで使用する電力についてもグリーン電力の導入を進めており、2009年4月時点で日本最大のグリーン電力使用会社となっています。
グリーン電力をもっと身近に
とはいえ、ソニーの製品やサービスを利用する一般消費者にとって、まだまだグリーン電力についてなじみが薄いのも事実。このことについて竹村さんはこう話してくれました。
「例えば、東京・乃木坂のソニー・ミュージックスタジオでは、使用する電気のうち年間30万kWhをグリーン電力にしています。みなさんがよく聴くあの有名なアーティストの楽曲も、ひょっとしたら風力発電の電気を使って録音されているかも知れません。

2003年から100%グリーン電力を使用しているZepp
「こうして見てみると、実はもう、グリーン電力はみなさんの身近なところに普及しているとも言えるのです。もちろん、持続可能な社会の実現には、さらに多くの企業がグリーン電力を導入することが望ましいでしょう。また、グリーン電力の認知度も高めていくことも必要です。

メディアージュのイルミネーションツリーに
グリーン電力を使用
音楽やライブホールなどでもグリーン電力が導入されているとは驚きですね。ソニーの取組みはグリーン電力を私たちにとって身近な物にしてくれています。グリーン電力を利用したグリーンな商品やサービスを私たち消費者が選ぶことで、グリーン電力はさらに普及するでしょう。ソニーの今後の取組みに目が離せません。
(2010年3月 取材)
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