その他
太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱以外に取り組みが行われているエネルギーを紹介します。
太陽熱利用
太陽の熱エネルギーを集熱器で集め、給湯や冷暖房に利用します。
特徴
天気が良い日は、家庭での給湯や暖房を十分に賄える温水を得ることができます。機器の構成が単純で特別な知識や操作の必要がないため、一般住宅や小さな店舗などでも導入することができます。
現状
太陽熱利用は、導入の歴史が古く、実績も多い熱利用方法です。現在は、水式と空気式の2つのタイプがあり、設置場所の条件によって選ぶことができます。また、屋根だけでなく外壁を使って設置するシステム、「ソーラーウォール」が開発され、メンテナンスの簡略化や運転コストの低減も実現しています。
展望
太陽熱を利用した新しい冷房システムの技術開発が進められています。新エネルギーの中では比較的安値で費用対効果がいいものの、他エネルギーなどとの融合もあり、生産台数は減少傾向にあります。最近では、新システムの開発が進んでおり、今後は公共施設などへの導入拡大が期待されています。
伸び悩む太陽熱利用機器の販売台数

年間を通して、温水を確保できます

温水プールの水も、太陽が温めます

邑南町健康センタートレーニングプール
温水プールのようにたくさんの水とエネルギーが必要な施設でも、ソーラーシステムが取り入れられています。島根県邑南町のプールでは、プールの水を温めることに太陽熱のエネルギーを活用。一年を通じてたくさんの人たちに利用されています。
太陽のぬくもりが、家の中も温めます

ソーラータウン久米川(東京都東村山市)
自然の恵みを最大限に活かした、省エネで経済的な暮らしを実現するソーラーシステム。一般住宅用として、比較的低価格で簡単に設置できるシステムも増えています。屋根に降り注ぐ太陽熱を効率よく取り込み、家の中の暖房や給湯に利用できます。
雪氷熱利用
雪や氷の冷熱を、室内の冷房や野菜などの冷蔵に利用します。
特徴
降雪地域において冬季に降り積もった雪や、冷気を利用してつくった氷を保管し、その冷熱を必要な時季に利用します。そのため、寒冷地では従来、膨大なコストをかけて除雪などをしていた雪を有効利用できます。
現状
現在は、北海道を中心に導入が進んでいます。雪氷熱利用の冷気は適度な湿度を含んでいるため、農作物の保存に適しており、大規模な貯蔵庫などで利用されています。また、農産物貯蔵以外にも、マンションの冷房に利用されるなど、活用範囲が広がってきています。
展望
寒冷地の気象特性を活用するため、利用地域は限定されますが、今後は更なる技術開発によるコスト低減を進め、冷房・冷蔵需要があるさまざまな施設での導入が期待されています。アイスシェルターや人工凍土システムなどの利用形態もあり、今後は新たな用途を開発し普及を図っていくことが必要です。
寒冷地で導入が進む雪氷熱利用
■ 雪氷熱エネルギーの県別貯蔵量(2008年)

日本には123ヶ所の雪氷熱エネルギー施設があり、その多くは北海道にあります。北国特有の「雪・氷・寒さ」をメリットに変える取り組みが、進められています。
出典:北海道経済産業局「クールエナジー4」
冬の冷気を、夏の栽培に活用

プラントファクトリー(北海道浦臼町)
雪氷熱エネルギーを、もっと高度利用するためのシステムを導入している施設があります。北海道にある、国内最大級の植物生産工場であるプラントファクトリー。ここでは、冬場に2基の製氷プールで約1,000トンの氷をつくって保存し、夏に低温で育つ植物栽培環境制御に利用しています。
雪を活かして、地域を活性化

JAびばい雪蔵工房(北海道美唄市)
寒冷地では除雪などコストがかかり、悩みの種でもあった雪を、逆に地域の活性化に活かそうという取り組みが行われています。北海道美唄市では、市の公共施設などの冷房、農作物の保存に雪氷熱エネルギーを活用。環境にやさしい街づくりを進めています。
雪氷熱の利用形態
雪氷熱の主な利用形態としては、倉庫などに雪を蓄え、その冷熱で野菜などを貯蔵する「雪室・氷室」、雪や氷の冷熱を循環させて冷房などに利用する「雪冷房・冷蔵システム」、冬季の外気で水槽を凍結させ夏季にその冷熱で冷房・冷蔵を行う「アイスシェルター」、ヒートパイプを使って凍土などを形成する「人工凍土システム」があります。
温度差熱利用
外気と温度差がある海水や河川水、下水などが持つ熱エネルギーを利用します。
特徴
海水・河川水・下水などは、夏は外気より水温が低く、冬は外気より水温が高くなります。この温度差の熱をヒートポンプを用いて利用するのが温度差熱利用です。冷暖房などの地域熱供給源として、全国で広まりつつあります。
現状
熱源と消費地が近く、新しい都市型エネルギーとして注目され、全国で広まりつつあります。中部国際空港島など、いくつかの地区では大規模なシステムを導入し、熱共有が行われています。活用分野も多彩で、温室栽培の暖房や寒冷地の融雪用起源としての利用も進んでいます。
展望
現在は、公共性の高い施設への導入が進んでおり、需要拡大が見込まれています。今後は、技術開発によるイニシャルコストの低減や熱源の不安定性の改良とともに、地元地方公共団体との連携による推進体制の整備が求められています。
新たな地域熱供給源として期待される温度差熱利用

都市部などでは、温度差熱利用による地域熱供給システムが導入されている地区が、少しずつ増えています。
出典:NEDO技術情報データベース
ヒートポンプとは?

水熱源回収式ヒートポンプ(神奈川県横浜市)
ヒートポンプとは、外気などの熱を効率よく取り出し、移動させることで加熱や冷却を行う装置です。例えば、外気の熱を集めて、室内に運ぶことで暖房を、逆に室内の熱を野外に運ぶことで冷房を行うことができます。そのヒートポンプにより、下水や海水、河川水などの熱の利用を高効率化したのが温度差熱利用。未利用だったエネルギーを上手に活用しています。
海水を、地域のエネルギーとして活用

高松市サンポート高松地区(香川県高松市)
温度差熱利用は、地域の立地特性を活かして利用することで、CO2削減や省エネを実現することができます。高松市のサンポート高松地区では、海水を利用したエネルギー供給システムを採用。空港やホテルといった公共施設に熱供給を行っています。
下水排熱を、高効率エネルギーに

ソニーシティ下水熱利用(東京都港区)
下水処理水の熱を有効利用することによって、電力や水道水の削減といった省エネ効果も実現します。ソニーシティでは、東京都芝浦水再生センターからの下水処理水の一部を、空調機の冷却用として活用しています。
バイオマス燃料製造
動植物などの生物資源(バイオマス)を、さまざまな燃料に変えて利用します。
特徴
バイオマス燃料の種類は、チップやペレットなどの固体燃料、ガソリン代替のバイオエタノールや、軽油代替のバイオディーゼル燃料(BDF)などの液体燃料、そしてバイオガスなどの気体燃料と、多岐にわたります。
現状
木質燃料であるペレットや、輸送燃料としてのバイオエタノール、BDFの導入が広がりはじめています。バイオエタノールはガソリン代替として注目されていますが、トウモロコシなどの食用部分を原料とするため、食料との競合が問題となっています。そのため、稲わらなどからとれる「セルロース」を使ったバイオエタノール製造の、研究・開発も進められています。
展望
多種多様な種類が存在するバイオマスは、その性質や発生形態などが異なるため、エネルギー利用のためのさまざまな変換技術が研究開発・実用化されています。しかし、エネルギーとして利用されていないバイオマス資源も多く残されており、今後はそれらの資源を有効活用していくための施策などを、整備していくことが求められます。
新たな燃料用エネルギー「バイオエタノール」

バイオエタノール・ジャパン・関西(株)
エタノール発酵設備(大阪府堺市)
ガソリン代替として注目されているバイオエタノール。サトウキビ、とうもろこし、廃木材などのバイオマス資源から製造されています。国内では「バイオエタノール・ジャパン・関西(株)」が、廃木材など木質系バイオマスを主原料に燃料用バイオエタノールを製造・販売しています。
食料と融合しない「セルロース系エタノール」

セルロース系原料
バイオエタノールは、トウモロコシのでんぷん質など食用部分を原料にするため、食料との競合が問題となっています。セルロースは、廃木材や稲わらなど植物の食べられない部分に含まれている成分のため、それを原料にバイオエタノールを製造すれば食料供給に影響を与えることはありません。そのため、セルロースに対して世界的な関心が高まっています。
廃食油をBDFに再生

廃食油の回収(山梨県山梨市)
飲食店などから出される使用済みのてんぷら油からBDFを製造し、自治体の公用車などに利用する取り組みが進められています。また、地域の休耕田などで菜の花を栽培して、食用油を製造、その廃食油を回収してBDFをつくる「菜の花プロジェクト」という事業もあります。
森の恵みからつくられる「木質ペレット」

木質ペレット
木質バイオマスエネルギーとして、木材を加工する際に発生する残材などを原料としてうまれる、チップやペレット。中でもペレットは発熱量が高く、また大きさや規格が均一であるため、保管や取り扱いが容易です。そのため、ペレットを利用したストーブやボイラーなどの導入が進められています。















