地熱
地熱発電は、マグマが持つ膨大なエネルギーの一部を蒸気という形で取り出し利用するものです。エネルギー資源にめぐまれない我が国にとって、水力とともに純国産の再生可能な貴重なエネルギー資源であり、極めて高い供給の安定性を有することから、国としても積極的に開発を推進すべきものとしています。
地熱開発は、地熱資源探査、坑井堀削・試験、貯留層評価・経済性評価を経て地熱発電所建設に至ります。この間環境影響評価を行ないます。環境への影響は地熱資源探査の段階から実施して、環境への配慮を行っています。

地熱資源探査
地熱資源探査は地質・変質帯調査、物理探査、地化学探査など種々の異なる手法を用いて調査を行い、地熱開発有望地域を抽出します。
- 地質・変質帯調査
- 地質・変質帯調査では衛星画像や空中写真を利用したリモートセンシングを活用し、地表踏査により地質構造、変質帯などの地熱構造の調査を行います。
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地質・変質帯調査
- 物理探査
- 物理探査では電磁探査や重力探査を行い、異なる原理を有する探査法を用いて地熱構造の解明にアプローチします。
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リモートセンシング |
重力探査 |
重力計 |
- 地化学調査
- 地化学調査では、土壌ガスの探査や温泉・噴気の調査を行い、流体の通路となる構造の解明や地熱流体の性状、起源、流動についてアプローチします。
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地化学調査 |
電磁探査機材 |
- 総合評価
- 地表調査の結果を総合的に解析して(1)地質構造、(2)熱構造、(3)流体流動の解析を行い、地熱系モデルを作成し、地熱開発有望地域を抽出します。この結果を基に、坑井堀削を行い、さらに補足調査を追加しながら精度の高いモデルを構築します。

貯留層シミュレーション
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抗井堀削・試験
調査結果に基づいて抗井堀削を行います。抗井堀削は地熱系モデルによって堀削計画、ケーシングプログラムを策定します。最初は深度500m?1,500m程度の小口径の調査井の堀削を行い、開発段階では通常1,000m?2,500m程度の大口径の生産井、還元井の堀削を行います生産段階では通常一つの基地から傾斜堀削により複数の抗井が堀削されます。抗井堀削後には抗井の評価を行うために、温度回復試験などの抗内検層や噴気試験を行います。
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![]() 霧島烏帽子岳地域噴気試験(鹿児島県) |
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3000m掘削リグ |
安比地域噴気試験(岩手県) |
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貯留層評価
貯留層評価は最適発電規模を適正に評価するため、地熱資源探査や堀削・試験の総合解析及び貯留層シミュレーションなどによる挙動予測を行い、地熱資源の開発と管理のための総合的な評価を行います。
経済性評価
貯留層評価などの結果を踏まえた事業計画に基づく経済性評価を行います。
環境影響評価
地熱資源探査の初期段階から環境影響調査を行い、最終的に環境影響評価を行います。環境影響調査では、温泉を始め、大気質、騒音・振動、動植物に関する調査など多岐に及ぶ調査を行い、環境影響評価を行います。

貯留層シミュレーション
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温泉モニタリング |
河川調査 |
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地熱発電所建設
各種評価結果に基づき、地熱発電計画、発電設備の設計を行い、地熱発電所の建設計画を策定し、発電所建設に移行します。
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澄川地熱発電所 |
澄川蒸気タービン |

※出典:「地熱エネルギー」 財団法人 新エネルギー財団
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八丁原地熱発電所
国内最大規模の地熱発電所

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- 八丁原地熱発電所は、風光明媚な阿蘇くじゅう国立公園特別地域の一画にある国内最大規模の地熱発電所。
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- 導入年月:
- 1号機1977年6月
2号機1990年6月
バイナリー発電2004年2月
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- 導入規模:
- 出力
1号機55,000kW
2号機55,000kW
バイナリー発電 2,000kW
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八丈島地熱発電所
温暖な気候と豊かな自然に恵まれた離島初の地熱発電所

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- 温暖な気候と豊かな自然に恵まれた八丈島で、離島初の地熱発電所として運転を開始。東京電力(株)としても始めて建設した地熱発電所であり、出力は八丈島夜間の最低需要電力に相当する3,300kW。
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- 導入年月:
- 1995年5月
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- 導入規模:
- 3,300kW
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再生可能なエネルギー
雨水や河川水が地下に浸透してマグマからの熱で熱せられ、地熱貯留層や温泉帯水層をつくります。マグマの熱は半永久ですので、蒸気や熱水の利用はほぼ無限に続くエネルギー回収サイクルと言えます。
数少ない国産エネルギー
我が国は世界でも有数の火山国であり、地熱エネルギー資源に恵まれています。これを有効に利用すると海外からの輸入に頼る石油・石炭を節約できます。このエネルギーは発電に用いられるだけではなく、温泉地域の熱水の直接利用として、有効活用が期待されています。
安定性と持続性のあるエネルギー
風力、太陽光などの自然エネルギーには、利用できる時間帯が限られていたり、季節によって変動する特性があります。これらに比較して、地熱発電は季節、昼夜の区別が無く、一定量を発電できるという優れた安定性を持っています。
環境負荷の小さいエネルギー
地熱は石炭や石油と比べ二酸化炭素の排出量が少なく、地球温暖化の防止対策に効果的です。また、地熱発電の蒸気と共に噴出した熱水はそのまま地下に還元し、環境を悪化させることはありません。
環境にやさしい発電「地熱」
地熱発電は他の発電と比較すると、ライフサイクルCO2排出量が断然少なく、まさに環境にやさしい発電であると言えます。
(下図、ライフサイクルCO2排出量(g-CO2/kWh(送電端)参照)

※原子力は、使用済燃料の再処理、プルサーマルの利用、高レベル放射性廃棄物の処分などを含めて評価をしています。
※財団法人電力中央研究所 平成22年度「電源別ライフサイクルCO2排出量の評価結果」より
蒸気発電
一般に地熱井には、熱水又は熱水と蒸気との混合流体を噴出する熱水卓越型と主に蒸気を噴出する蒸気卓越型の2種類があります。熱水卓越型ではセパレータ(気水分離器)により熱水と蒸気を分離し、蒸気だけをタービンへ送りますが、蒸気卓越型では噴出する蒸気をそのまま蒸気タービンへ送ります。
蒸気タービンには復水式と背圧式との2種類があり、要求される発電量などの条件により、使い分けられます。
復水式は、復水器を設置してタービンの出口を真空にすることにより、地熱井から得られた蒸気のエネルギーを効率良く利用することができます。しかし、タービンを回転させたあとの蒸気を冷却水により凝縮させるため、復水器に加えて冷却水を供給する冷却塔、冷却水を循環させるポンプなどを必要とし、背圧式に比べて設備工事費が高くなります。
背圧式は、構造が簡単で設備費が安い、運転・保守が容易などの特徴がありますが、発電効率については、復水式より劣ります。



バイナリー発電
バイナリー発電方式とは、地熱蒸気により直接タービンを駆動する従来の発電方式とは異なり、沸点の低い媒体を使用してタービンを駆動することにより、従来の発電方式では利用できなかった低温度域の熱水流体(蒸気・熱水)での発電を可能とするものです。
バイナリー発電方式の採用により、中低温度域の地熱流体の利用価値が高まり、温泉地域などの未利用エネルギーを利用した発電が可能となります。


























